学習・教育到達目標|グローバルエンジニアコース|神奈川工科大学電気電子情報工学科ウェブサイト
学習・教育到達目標
JABEEではエンジニアリング・デザイン(「必ずしも解が一つではない課題に対して、種々の学問・技術を統合して、実現可能な解を見つけ出していくこと」)が行える能力を身につけることを重要視しており、この能力を養成できるように学習・教育到達目標を設定している。
本プログラムのエンジニアリング・デザインでは主に次の(1)~(6)の能力の養成を行う。具体的には主にEで総合的なエンジニアリング・デザインの訓練が実施される。
(1)複数のアイデアを提案できる。
(2)大学で学ぶ複数の知識を応用できる。
(3)コミュニケーション力ならびにチームワーク力。
(4)創造性(既存の原理や知識を組み合わせて、新規の概念または物を創り出せる)。
(5)コスト等の制約条件や評価尺度について考察できる。
(6)自然や社会への影響(公衆の健康・安全、文化、経済、環境、倫理)について考察できる。
具体的な学習・教育目標は以下の通りである。なお、[]内は、対応する主な科目を表している。

A.国際性を含めた幅広い視野と教養を身につける。
A-1 社会人としての教養
社会の基本ルールや多様な価値観の存在などを学ぶことにより、社会人としての教養を身につける。[共通基盤の科目]
A-2 政治経済、国際協調
国際的な視点に立って政治・経済を学ぶとともに、文化面も含めた国際協調の重要性を理解する。[共通基盤の科目]

B.技術者としての社会的責任と倫理観を養う。
B-1 技術者の役割と責任
科学技術はさまざまに人々の生活を向上させているが、その反面公害等の問題を発生することがある。このように、技術が社会に与える影響および地球環境との関係について理解を深め、社会に対する技術者の役割と責任について意識できるようにする。[共通基盤の科目]
B-2 技術者としての倫理観
技術者が善意で生み出す技術は、その意図に反して社会を害する道具にもなりうる。そのため、自分の仕事の社会的影響を理解し、判断できるような技術者としての倫理観を養う。[技術者倫理などの科目]

C.技術者として必要な自然科学・情報技術の学力を身につける。 
C-1 自然科学の基礎
工学は自然科学の上に成り立っている。電気電子工学の専門科目を学ぶためには、自然科学の基礎知識が必須である。そこで、専門科目の学習がスムーズに進むように、数学、物理等の科目を学び、専門分野の履修に必要となる自然科学の基礎を身につける。[専門基礎導入の科目]
C-2 情報技術(IT)
専門の技術者としての仕事には情報技術(IT)を使いこなせることが必要である。そのための基礎として、プログラミングやパソコンを使った技術計算や文書作成、あるいはインターネットによる情報収集の方法などの情報技術を学ぶ。[専門基礎のプログラミング入門などの情報系科目]

D.専門分野の基礎科目について十分な学力を身につける。 
D-1 専門基礎の理解
専門科目の履修には、空間や物質中の電界と磁界の関係、電気回路の電流と電圧の関係等の電気電子の基本的原理の十分な理解が必要である。さらに、電気回路を構成する抵抗・インダクタンス・キャパシタンスあるいはダイオード・トランジスタのような回路要素の知識も必要である。そこで、専門基礎にある専門基礎必修科目を履修して、専門科目の履修に必要な基礎を身につける。[電気磁気学Ⅰ-EB、電気磁気学Ⅱ-EB、基礎電気回路Ⅰ・Ⅱ、基礎電子回路などの科目]
D-2 専門基礎の総合的な理解・応用
専門基礎科目の内容は相互に関係がある。例えば、基礎電気回路で扱うインダクタンス、キャパシタンスの原理は電気磁気学で学び、その現象は数学的に表現される。このような相互の関係が分かると、個々の科目をより効果的に学べる。そのために、専門基礎科目を総合的に理解し、応用力を身につける。[専門基礎の科目]
D-3 演習・実験による具体的な理解
講義科目の演習によって、学習した内容をより深く理解する。さらに、実験・実習科目によって、実際の回路や機器に触れ、また初歩的な回路やシステムの設計・製作・評価および改良を行って、講義の内容をより具体的に理解する。[演習付き科目、電気電子(基礎、応用、専門)ユニット、電気電子設計製図などの科目]

E.専門分野についての知識を身につけ、総合的に活用して社会の要求を解決するためのエンジニアリング・デザイン能力を養う。 
E-1 各専門分野の基本原理
電気電子工学の各専門分野(①電力・機器・制御、②半導体・電子デバイス・光エレクトロニクス、③情報通信・情報処理)について、それぞれの基本原理を学び、基礎学力を身につける。[専門の講義科目]
E-2 応用力の素養
個々の学生の希望と適性に応じ、何れかの分野についての応用的な科目までより深く学習し応用力の素養を身につける。[専門の講義科目]
E-3 エンジニアリング・デザイン能力
電気電子(基礎、応用)ユニット、電気電子設計及び特別研究ユニット、卒業研究などの科目によって、社会の要求を分析・理解し,問題を設定する能力を養う。さらに限定された条件の下で、解が複数存在する課題に対して、身につけた専門知識を応用して解を見出す能力を養う。
[電気電子(基礎、応用)ユニット、電気電子設計及び特別研究ユニット、卒業研究などの科目]

F.自己の考え方を発表・表現し他人とのコミュニケーション能力を養う。 
F-1 国際的なコミュニケーション能力
技術者が仕事を進める上で、周囲の人々とのコミュニケーションを欠くことはできない。また、国際化の流れのなかで外国人技術者との交流も避けて通れなくなる。そこで、技術者として必要なコミュニケーション能力、即ち技術内容の表現・伝達能力を身につける。[英語、言語応用系科目、電気電子工学ゼミ、卒業研究など]
F-2 プレゼンテーション能力
研究活動等を通して、構想したものを図、文章、式、プログラム等で表現する能力を身につけ、自分の考えや成果を明確に相手に伝えるためのプレゼンテーション能力を養う。また、相手の質問や意見の内容を理解し的確に応答できるような双方向で意思を伝達する方法を身につける。[卒業研究、電気電子設計及び特別研究ユニット、電気電子工学ゼミなどの科目]
F-3 柔軟な思考力・討論能力
技術交渉や討論では、相手の考えも理解し、また自分の考えの欠点を修正していける柔軟性が必要である。相手との会話を通して双方でより良い結論を導き出せるような柔軟な思考力・討論能力を養う。[電気電子(基礎、応用)ユニット、卒業研究、電気電子設計及び特別研究ユニット、電気電子工学ゼミなどの科目]

G.チームワーク力と計画的実行力を養い、技術者としての探究心と向上意欲を培う。 
G-1 継続的努力と研鑽
自ら得意とする分野での技術動向を知り、絶えず問題意識を持って課題に取り組み、継続して努力し研鑽を続けるための素養と習慣を身につける。[卒業研究、電気電子設計及び特別研究ユニット、電気電子工学ゼミなどの科目]
G-2 問題解決力
与えられたテーマに関して、企画・実行・分析を繰り返しながら問題点を明らかにし,技術の進歩に対応して学び続けることができる、技術者としての素養と習慣を身につける。[電気電子応用ユニット、卒業研究、電気電子設計及び特別研究ユニット、電気電子工学ゼミなどの科目]
G-3 チームワーク力・計画的実行力
チームを組んで協力・協調しながら、研究等の成果をあげるために、与えられた制約条件の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力を養う。[電気電子(基礎、応用、専門)ユニット、卒業研究、電気電子設計及び特別研究ユニットなどの科目]

以上のように、このコースでは、(A)~(G)の目標を達成することにより、将来どのような専門分野にも対応できる総合的技術者の養成を目指しているが、特に(C)と(D)で述べた基礎学力を十分に身につけることと、(G)で述べた思考力の育成に力点を置いたカリキュラム構成となっている。
表2-1に(A)~(G)の目標とJABEEの基準1(2)の(a)~(i)との対応を示している。

【表2-1】
学習・教育到達目標と基準1(2)の(a)~(i)との対応
学習・教育到達目標と基準1(2)の(a)~(i)との対応
  • JABEEとは何か?
  • 技術者像
  • 学習・教育到達目標
  • カリキュラム
  • 履修条件
  • 卒業要件
  • シラバス<
  • 個人毎の達成度評価一覧表<
  • 冊子「EBコース<br>の履修について」